ダイエット

ピラティスで痩せる?ダイエット効果と代謝の仕組み

明るいスタジオでマットに座り体幹エクササイズをする笑顔の女性の実写写真

この記事の結論
ピラティスは消費カロリーの大きい有酸素運動ではないため、ピラティスだけで大きく体重を落とすのは難しい運動です。ただし、体幹が整うことで体を動かしやすくなる、姿勢が変わり見た目が引き締まる、体への負担が小さく続けやすい、という3つの理由から「痩せやすい体づくり」の土台として役立ちます。食事管理や有酸素運動と組み合わせるのが、もっとも現実的で効果的な取り入れ方です。


ダイエットの基本:大切なのは「続けられること」

ピラティスの話に入る前に、ダイエットの基本を確認しておきましょう。体重が減るかどうかは、基本的に「摂取するエネルギー」と「消費するエネルギー」のバランスで決まります。消費が摂取を上回れば、体は蓄えた脂肪をエネルギーとして使い、体重は少しずつ減っていきます。

食事を抜くダイエットは長続きしない

手っ取り早く摂取エネルギーを減らそうと、食事を抜いたり、特定の食品だけを食べたりするダイエットを試したことがある人もいるでしょう。一時的に体重は減っても、必要な栄養が不足して体調を崩したり、反動で食べすぎてリバウンドしたりしやすいのが現実です。また、極端な食事制限は脂肪だけでなく筋肉も減らしてしまい、かえって太りやすい体になるおそれもあります。

食事はきちんととりながら、体を動かす量を増やす。これがダイエットの王道です。

いきなりハードな運動を始めるのも危険

一方で、普段あまり運動をしない人が、ダイエットのために急にランニングやハードなスポーツを始めるのも考えものです。慣れない運動は怪我のもとになりますし、きつい運動は長続きしません。せっかく始めても三日坊主で終われば、体は元に戻ってしまいます。

そこで選択肢の一つになるのが、体への負担が小さく、初心者でも始めやすいピラティスです。

ピラティスは有酸素運動?

ウォーキング・水泳とゆっくり動くピラティスを並べて比較したイラスト
※画像はイメージです

「ピラティスで脂肪を燃やす」という言葉を見かけることがありますが、ここは正しく理解しておきましょう。

結論:ピラティスは主に「筋肉を整える運動」

有酸素運動とは、酸素を取り込みながら比較的長い時間続ける運動のことで、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどが代表的です。脂肪をエネルギーとして使いやすく、消費カロリーを増やすのに向いています。

ピラティスは、ゆっくりとした動きで筋肉をコントロールすることが中心です。心拍数が大きく上がり続けるタイプの運動ではないため、一般的には有酸素運動には分類されません。ランニングや水泳と比べると、同じ時間あたりの消費カロリーは少ないと考えてよいでしょう。

マシンピラティスのテンポ次第では心拍数が上がることも

ただし、リフォーマーなどのマシンを使ったレッスンで、動きをテンポよく連続させるプログラムの場合は、心拍数がある程度上がることもあります。スタジオによっては、有酸素運動の要素を取り入れたクラスを用意しているところもあるので、ダイエットが主な目的ならそうしたクラスを選ぶのも一つの方法です。

それでも「ピラティスで痩せた」と感じる人がいる3つの理由

ピラティス単独の消費カロリーは大きくないのに、実際には「ピラティスを始めて体が変わった」という人が少なくありません。そこには次のような理由があります。

理由1:体を動かしやすくなり、日常の活動量が増える

ピラティスで体幹が安定し、関節がスムーズに動くようになると、日常の動作が楽になります。階段を上る、長く歩く、家事をするといった動作が苦にならなくなれば、自然と体を動かす量が増えていきます。

実は、1日の消費エネルギーの中で、運動以外の日常生活の動き(家事、通勤、立ち仕事など)が占める割合は小さくありません。ジムでの30分の運動より、1日を通した活動量のほうが、消費エネルギー全体に大きく影響することもあるのです。

理由2:筋肉を使える体になり、代謝の土台が整う

筋肉は、体を動かしていないときもエネルギーを消費しています。ピラティスで普段使えていなかった筋肉を使えるようになることは、基礎代謝を支える土台づくりにつながります。

ただし、ピラティスは筋肉を大きく増やすことを目的とした運動ではないため、筋肉量の増加による基礎代謝アップの効果は、重い負荷をかける筋力トレーニングほど大きくはないと考えられます。旧来の記事では「激しい運動をしなくても、体内の筋肉がいつもエネルギーを使ってくれるので、不要な脂肪を蓄えない」と説明していましたが、これは言い過ぎです。代謝の土台を整える効果はありますが、それだけで脂肪がつかなくなるわけではありません。

理由3:姿勢が変わり、見た目が引き締まる

猫背の姿勢と背筋が伸びてお腹まわりがすっきりした姿勢を比べたイラスト
※画像はイメージです

もっとも実感しやすいのが、見た目の変化です。背筋が伸び、お腹の深い筋肉が内側から支えるようになると、ぽっこり出ていた下腹部が目立ちにくくなります。体重計の数字はあまり変わらなくても、「お腹まわりがすっきりした」「服のサイズ感が変わった」と感じる人が多いのはこのためです。

ダイエットの目的が「見た目を整えること」であれば、ピラティスは非常に相性のよい運動だといえます。

「内臓脂肪」「内臓の代謝」についての誤解

旧来の記事では、「ピラティスで筋肉を刺激すると内臓脂肪に働きかけ、内臓の代謝率がアップする」「内臓をマッサージする効果で血液を押し出し、便秘も解消される」と説明していました。この部分は整理が必要です。

内臓脂肪は、お腹の内臓のまわりにつく脂肪で、増えすぎると生活習慣病のリスクが高まることが知られています。内臓脂肪を減らすために基本となるのは、食事の見直しと、有酸素運動を含む日常の活動量の増加です。ピラティスで内臓脂肪だけを狙って落としたり、内臓そのものの代謝を上げたりできると断定できる根拠は限られています。

また、「内臓のマッサージ効果」「肌がきれいになる」「ホルモンバランスが正常化する」「生理痛が改善する」といった表現も、ピラティス特有の効果として確認されたものではありません。体を動かす習慣が体調全般によい影響を与える可能性はありますが、期待しすぎないようにしましょう。

ダイエット効果を高める組み合わせ方

ピラティスをダイエットに活かすなら、他の習慣と組み合わせるのがポイントです。

特にピラティスと有酸素運動の組み合わせは効果的です。ピラティスで姿勢と体幹が整うと、ウォーキングのフォームもよくなり、より楽に長く歩けるようになります。

ダイエット中におすすめのピラティスエクササイズ

自宅のリビングでヨガマットを敷きショルダーブリッジをする女性の実写写真
※画像はイメージです

ここでは、お腹まわりを中心に全身を使える4つのエクササイズを紹介します。どれも自宅のマットで行えます。

1. ハンドレッド(お腹と呼吸)

仰向けで膝を立て、息を吐きながら頭と肩を持ち上げます。腕を体の横で床から浮かせ、小さく上下に動かしながら、5カウントで吸い、5カウントで吐きます。慣れてきたら膝を90度に曲げて脚を持ち上げた状態で行うと強度が上がります。首がつらくなったら頭を下ろして休みましょう。

2. ロールアップ(背骨とお腹)

仰向けで脚を伸ばし、腕を頭上に伸ばします。吸って腕を天井に向け、吐きながらあご、首、背中と順番に背骨を丸めて起き上がり、つま先のほうへ体を倒します。吸って止まり、吐きながら背骨を一つずつ床に戻します。反動を使わずに起き上がるのが難しい場合は、膝を曲げて行うか、起き上がる途中までにとどめましょう。

3. シングルレッグストレッチ(お腹と脚の連動)

仰向けで頭と肩を持ち上げ、片膝を胸に引き寄せて両手を添え、もう片方の脚を斜め前に伸ばします。息を吐きながら脚を入れ替えます。左右で1回として、5$301C8回を目安に行います。腰が床から浮かないように、お腹の引き込みを保つのがポイントです。

4. ショルダーブリッジ(お尻と背中)

仰向けで膝を立て、吐きながら尾骨から背骨を一つずつ持ち上げ、肩から膝までが一直線になるところで止めます。吸って、吐きながら背骨を一つずつ戻します。お尻と太ももの裏が使えている感覚を意識しましょう。慣れたら上げた状態で片脚を伸ばすと強度が上がります。

ダイエット目的で行うときの注意点

ダイエットへの意欲が高いときほど、やりすぎてしまいがちです。次の点に気をつけましょう。

  • 回数を増やすより質を上げる: ピラティスは回数を増やせば効果が上がる運動ではありません。フォームが崩れた状態で回数を重ねると、腰や首を痛める原因になります。
  • 腰が反ったまま行わない: お腹の動きで脚を持ち上げる種目では、腰が床から浮いて反りやすくなります。腰に違和感があれば、脚を高く上げる、膝を曲げるなどして負荷を下げてください。
  • 食事を減らしすぎない: ピラティスを始めたからといって食事を極端に減らすと、体を動かすエネルギーが足りず、ふらつきや怪我の原因になります。
  • 体重の増減に一喜一憂しない: 体重は水分などで日によって変動します。数週間単位の変化を見るようにしましょう。

続けるためのコツ

ダイエットでもっとも大切なのは、続けることです。

  • 完璧を目指さない: 1回30分できない日は、5分の呼吸練習だけでも構いません。ゼロにしないことが大切です。
  • 体重以外の変化も記録する: ウエストのサイズ、姿勢の写真、階段の楽さなど、体重以外の変化に目を向けるとモチベーションを保ちやすくなります。
  • 予定に組み込む: スタジオに通う日を固定する、朝起きたらマットを敷くなど、習慣として生活に組み込みましょう。

1週間の取り入れ方の例

ピラティスと他の習慣をどう組み合わせればよいか迷う人のために、取り入れ方の一例を紹介します。生活リズムや体力に合わせて自由に調整してください。

ポイントは、ピラティスだけで1週間を埋めようとしないことです。ピラティスの日、歩く日、休む日をつくることで、無理なく続けやすくなります。

よくある質問

Q. ピラティスとジムの筋トレ、ダイエットにはどちらがいいですか?
A. 筋肉量を増やして基礎代謝を上げることを重視するなら筋トレ、姿勢や体の使い方を整えて見た目を変えたいならピラティスが向いています。どちらも、食事管理と組み合わせることが前提です。両方を取り入れるのも効果的です。

Q. ピラティスの前後に食事をしてもいいですか?
A. 直前の食事は、お腹を引き込む動きや仰向けの姿勢で苦しくなることがあるため、少し時間をあけるのがおすすめです。空腹すぎてふらつく場合は、軽いものを口にしてから行いましょう。

Q. お腹だけ痩せたいのですが、効果はありますか?
A. 特定の部位の脂肪だけを落とすことは難しいとされています。ただし、ピラティスでお腹の深い筋肉が働くようになると、お腹まわりが引き締まって見えることは期待できます。

まとめ:ピラティスは「痩せやすい体づくり」の土台

ピラティスは有酸素運動ではないため、単独で大きく体重を落とすのは難しい運動です。しかし、体を動かしやすくなることで活動量が増え、姿勢が変わって見た目が引き締まり、体への負担が小さいため続けやすい、という点で、ダイエットの強い味方になります。

食事を抜くような無理なダイエットではなく、ピラティスで体の土台を整えながら、食事と有酸素運動を組み合わせていきましょう。

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